3歳か4歳のころの記憶が鮮明にある。
大人がしゃべっている言葉や話を隣で聞きながら、
「そんな子供じみたことで怒っちゃダメだよ」
とか、
「ふーん、なかなか頑張ってるじゃないか」
などと、かなり上から目線で呟いていたような気がする。
数字やアルファベットには性格や性別があると感じていた。
1は、真面目で大人しい青年。
2は、ちょっとやんちゃな女の子。
という具合に勝手にキャラクター付けをしていた。
だから目にする時間や、日付はとても意味深いものだった。
もうずいぶん記憶が消え去ってしまったけど、
まだかろうじて残っている記憶がある。
僕が近所の雑貨屋さんに買い物に出かける途中、
急に周りの景色が一変し、視界が色あせていった。
僕は着物を着た大人の姿をしていた。
刀を腰に差していて、武士のような恰好をしていた。
雑貨屋に入った途端にまたもとの子どもの姿に戻った。
武士の姿になるのは、ずいぶん後に二度ほどあったと思う。