仮面ライダーカードの是非を決定する日がやってきた。
全校の学級委員が音楽室に集まった。
音楽室は、後ろの席になるにしたがって、段差が高くなるすり鉢状の部屋だった。
1クラス2人の学級委員、6年×4クラス、合計48人ほどが集まり、
先生を含めると50人以上の大人数の会合となった。
驚いたことに、僕らのクラス以外は、すべて『カード禁止』の意見だった。
それぞれのクラスの学級委員代表が、順番に意見を述べた。
鉄拳先生は僕の後ろに座っていて、
「学級委員、どうするんか?」
背中をつついてきた。
他の学級委員たちは、スナック菓子の投棄で町の迷惑になっていることや、
先日亡くなった男の子のことを引き合いに出し、
もうこれは禁止しかない。と口を揃えた。
僕のクラスの番になり、起立して話しはじめた。
「僕らのクラスはカードを禁止にしたくない。となりました。」
「去年、コマ遊びが危険だからという理由で禁止になりましたが、
今度はカードも禁止にするんでしょうか?」
「子どもたちの楽しみがなくなっています。」
「ルールを作って、それを破ったら禁止としたらダメでしょうか?」
他の先生たちが言い始めた。
「もう大体意見は出たので多数決にしましょうか」
鉄拳先生が後ろから、
「これでええんか? お終いか?」
僕は半分泣きそうになりながら、また起立して、
「さきほど亡くなった男の子の話がでましたが、
カードが大切だから防火用水の金網を上ったんです。」
「それだけ大切なカードだったんだと思います。」
「もう一度考え直してほしいです!」
他の先生が断定するように言った。
「時間が迫っているので多数決にしましょう」
先生は、『禁止のクラス』 は手を挙げて。と確認し、
他のクラスの学級委員全員が手を挙げた。
『禁止に反対のクラス』 は、
僕と川本さんの2人だけが手を挙げた。
初めからわかっていた結果だった。
翌日、僕はホームルームでこの結果をクラスに報告した。
「カードの禁止を止めることが出来ませんでした。すみませんでした。」
とみんなに謝った。
鉄拳先生が口を挟んできた。
「全校のクラスがすべてカード禁止の意見でした」
「ウチの学級委員は上級生に歯向いながら、
クラスの意見を最後まで主張しました」
「最後は涙を溜めながら頑張った」
鉄拳先生が、僕をけしかけたからだろう。と思いながら、
鼻先がジーンとしてきた。
シンジがそばにきて、
「なかなかやるのー」
とニヤニヤした。
その後すぐに仮面ライダーカードの学校への持参は禁止された。
生徒の親にも周知され、ブームは静に終わった。