仮面ライダーカードの功罪②

仮面ライダーカードの是非を決定する日がやってきた。全校の学級委員が音楽室に集まった。
音楽室は、後ろの席になるにしたがって、段差が高くなるすり鉢状の部屋だった。1クラ
ス2人の学級委員、6年×4クラス、合計48人ほどが集まり、先生を含めると50人以上の
大人数の会合となった。

驚いたことに、僕らのクラス以外は、すべて『カード禁止』の意見だった。
それぞれのクラスの学級委員代表が、順番に意見を述べた。

鉄拳先生は僕の後ろに座っていて、
「学級委員、どうするんか?」
背中をつついてきた。

他の学級委員たちは、スナック菓子の投棄で町の迷惑になっていることや、先日亡くなっ
た男の子のことを引き合いに出し、もうこれは禁止しかない。と口を揃えた。

僕のクラスの番になり起立して話しはじめた。
「僕らのクラスはカードを禁止にしたくない。となりました。」
「去年、コマ遊びが危険だからという理由で禁止になりましたが、今度はカードも禁止に
するんでしょうか?」
「子どもたちの楽しみがなくなっています。」
「ルールを作って、それを破ったら禁止としたらダメでしょうか?」

他の先生たちが言い始めた。
「もう大体意見は出たので多数決にしましょうか」
鉄拳先生が後ろから、
「これでええんか? お終いか?」

僕は半分泣きそうになりながら、
また起立して、
「さきほど亡くなった男の子の話がでました
が、カードが大切だから防火用水の金網を上ったんです。」
「それだけ大切なカードだったんだと思います。」
「もう一度考え直してほしいです!」

他の先生が断定するように言った。
「時間が迫っているので多数決にしましょう」
先生は、『禁止のクラス』 は手を挙げて。と確認し、他のクラスの学級委員全員が手を
挙げた。

『禁止に反対のクラス』 は、
僕と市川さんの2人だけが手を挙げた。
初めからわかっていた結果だった。

翌日、僕はホームルームでこの結果をクラスに報告した。
「カードの禁止を止めることが出来ませんでした。すみませんでした。」
とみんなに謝った。

鉄拳先生が口を挟んできた。
「全校のクラスがすべてカード禁止の意見でした」
「ウチの学級委員は上級生に歯向いながら、
クラスの意見を最後まで主張しました」
「最後は涙を溜めながら頑張った」

鉄拳先生が、僕をけしかけたからだろう。と思いながら、鼻先がジーンとしてきた。

シンジがそばにきて、
「なかなかやるのー」 
とニヤニヤした。

その後すぐに仮面ライダーカードの学校への持参は禁止された。生徒の親にも周知され、
ブームは静に終わった。

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